イサキ釣りでの悩みはオマツリ。仕掛けの投入時は、ビシを1メートルくらい振り込んでブレーキをかけて落とせば、窮屈なほどに混んでない船では回避できる。問題は魚の取り込み時、仕掛けが潮で流され、水面で抵抗する魚とのやり取りが横の人の目の前で繰り広げられる。
残念なことに大きなイサキを釣ったことがないので、イサキの取り込みに苦労したことはないが、大アジやサバ、クロダイを釣り上げたときに横の人に迷惑をかけることがある。仕掛けの長さは3メートル。横の人との距離は1.5メートルくらいなので、釣りあげられたくない魚の最後の抵抗は横の釣り人の目の前=道糸の近くでということになる。なんとか手早く魚を取り込み、横の人に迷惑をかけないようにしたいし、取り込みが早ければ水面バラシのリスクも軽減できる。
ビシアジ釣りなどで一般的に行われている魚の取り込みの手順はこう。
1.竿を立ててビシを手に取れるところまでリールを巻き取る。
2.ロッドキーパーに竿を固定し、竿を立ててビシを手に取る。
3.ビシをコマセバケツの中に入れ、ハリスを持つ。
4.ハリスを手繰り寄せ、魚を船に放り込むようなイメージで一気に抜きあげる。
へた釣りはイサキのウィリー釣りでもこの手順で魚を取り込んでいたのだが、水面で走る大アジやサバを相手にすると、横の人にご迷惑をかけて、「すいませ~ん」と謝りながら魚を取り込むことになる。
■ロッドキーパーを使わずにビシをバケツに置くように竿を船に入れる
金沢八景・一之瀬丸の船長によれば、魚の取り込み時にはロッドキーパーを使わないのが正解なんだそうだ。つまりこういうこと。
1.ビシを竿先30センチくらいまで巻き上げる。
2.ビシをコマセバケツに置くようなイメージで竿を船の中に入れてしまう。
3.ハリスのなるべく下の方を持って一気に船の中に魚を放り込む。
ロッドキーパーに竿を置くというステップを飛ばすだけで、ずいぶんと魚の取り込みの時間が短縮される。竿を置く(ロッドキーパーに竿を固定し、ビシを手に取り、コマセバケツに入れる)間、横の人の目の前で魚が暴れっぱなしという事態を避けられる。第一、巻き上げが50~70センチ多く、仕掛けが船の近くを通るようになるので、横の人への迷惑はグンと減りオマツリのリスクは大幅に減る。
こう教わって、周りを見て見ると、イサキ釣りのベテランっぽい人ほど、ロッドキーパーではなくV字の竿掛けを利用している人が多いってことに気づく。竿掛けを全く使ってない人もいる。3回目のイサキ釣行の途中から、大きな魚がかかったときはロッドキーパーに竿を固定せず竿受け部に竿を置くだけにする方法で魚を取り込むようにしていたのだが、効果はてき面。オマツリは減ったし水面バラシもなくなった。タナ取りもカウンターでなんとか、オマツリの回避法も分かった。シャクリ方や待ち方も教わった。あとはもう……大イサキを釣るだけなのである。
著者: へた釣り