アマダイとの愛を育む蜜月月間のはずなのだが、愛を育む以前に出会うことすらできなかった。2015年の釣り納め釣行。相変わらずツンツンモードのアマダイには相手にされず。代わりに高根の花だと思っていたヒラメからはいきなり告られてサプラ~イズ。今年の漢字は「横」に決定した。
終わりよければすべてよしといきたいところだが、そうはいかないのが今年のへた釣りの運勢なんだろう。羽田・かみやからアマダイ。カワハギを早々に切りあげて、12月下旬から1月いっぱいはアマダイとの愛を育む蜜月期間にするつもりだった。片舷5人の10人での出船。へた釣りは左舷の舳から2番目。舳、つまりへた釣りの右横にはかみやNo.2のドン・サイ~キ。へた釣りの右横といえば型狙いの超特等席ではあるが……まさかねぇと思っていたらまさかが起きた。
船は定刻に桟橋を離れ1時間20分かけて剣崎沖に。しゃちょう船長とっておきの良型アマダイ狙いのポイントの1つであるらしい。水深は95メートルくらい。天気予報ではベタ凪のはずだったが風も強いし、波も高く少し釣りにくい感じ。底を少し小突いてアマダイの興味を引き、50センチほどオモリを持ち上げて待つという釣り方で始めたのだが魚信はあれど針掛かりせずに餌を取られることが多い。タナが低すぎるのかと少しずつタナを高くしていくとようやく針掛かり。重量感はないがそれなりに引くので小型のアマダイかな?と期待したが上がってきたのはキダイのダブル。尾頭付き用に1匹だけキープ。
キダイはいいペースで釣れる。タナを低くするとトラギス、タナを上げるとキダイって感じ。キダイばかり釣っても仕方がないので少しタナを低めにして待っていると竿先プルル。トラギスにやられた。2本針なので少し粘っていると、竿先をグッと抑え込むような魚信。ゆっくりと竿を持ち上げ仕掛けを張っていくとグンッと竿を持って行く。「やっときた~~~♪」と間欠的に竿を大きく引きこむ手応えを楽しんで巻き上げる。船長がタモ持ってきてくれる。ん? 茶色……ムシガレイ…にしては大きい。45センチくらいのヒラメだった。トラギスに食いついていた。本命ではないがお正月のお刺身が増えたのでうれしい。
時間はまだまだたっぷりあるので、そのうちアマダイも釣れるだろうと考えていたが、魚信が出なくなる。富浦沖に移動。水深はやはり95メートル前後。ここでようやく赤い魚が釣れた。まずはエイリアンっぽい外観のカナド。お次はミニチュアサイズのオニカサゴ。本日釣った赤いお魚はこの2種だけ。何が悪いんだろうと悩んでいると、舳から「タモ~~~♪」と叫ぶドン・サイ~キの声が聞こえる。タモ取りするかとタモを探したが、海面に浮かんだ魚を見て体が固まる。デカい!!!! 下手にタモを引きうけて失敗すると怨まれそうな巨大アマダイだった。しゃちょう船長が出したタモに収まったアマダイは52センチ。船宿レコードらしい。
またしても右横で喉から手が出るほど欲しいビッグワンを釣られてしまう。2015年の漢字は「横」だななどとアホなことを考えつつ、なんとしても…小さくてもいいから……1匹だけでもアマダイを釣ろうと最後まで頑張った。でも、本日の漢字は「平」だった。その後は釣っても釣ってもムシガレイ。赤い魚には嫌われて平べったい魚しか相手をしてくれない。本日は15時に帰港なので14時に沖上がり。蜜月のはずだったのに出会いすらなくアマダイ・ハネムーンの初夜は終了。
著者: へた釣り