今年で50歳になるおっさんである。そのおっさんをビビらせるのであるから上州屋・新橋駅前店はまさに魔界の中の魔界といえる。日曜日のお散歩ついでに初めて行ったが、予想だにしていなかった展開にドキドキしっぱなし。新橋はあなどれない街だと思い知った。RPGのダンジョン気分だ。
新橋駅前店はJR新橋駅前にあるニュー新橋ビルの中にあるとだけ調べてあった。有楽町駅前から歩き始めて時間に余裕があれば寄ってみるつもりだった。日曜日の17時半くらいにそのビルの前にたどり着く。山手線の駅前の一等地にあるビルである。中がまさかあんなことになっているなんて想像もしていない。ビルに入ってすぐ右手にあったエスカレーターで2階に登ると少し薄暗い。目の前にはゲームセンター。怖いとまでは思わなかったが嫌な気配は感じる。上州屋を探そうと通路を進もうとすると、お店から飛び出してきたミニスカートの女の子に「お兄さん、マッサージいかがですかぁ~」。びっくりしてエスカレーターまで戻る。
赤坂で働いたこともあるのでマッサージ嬢にしゃっちょさんとかおっにさん呼ばわりされるのは慣れているが夜の歓楽街でのこと。こちらも酔っている。通路を変えて進もうとしたがどの通路を覗いてもお店からこちらの様子をうかがっているミニスカ女子がいるのだからさすがに怖い。時間もよくない。ビルの中に日本人の男子(=獲物)はへた釣りだけ。なるべく目を合わさないように通路を進むがすぐ近くまで寄ってきて「マッサージいかがですかぁ~」。その気もないのにこんなことろに迷い込んでいる自分の方が悪いような気がして「すいません」と謝る。ビルの端までたどり着くとようやく上州屋の入り口が見えた。
新橋駅前店はこれまで行ったことのある上州屋の中で最もコンパクトなお店だった。竿やリールをというよりも会社帰りに明日の釣行用のエサや仕掛けなどを買って帰るって感じかな? エサは結構充実していて、イワイソメの取り扱いもあった。金龍鉤のS藤達人によれば、中国人のお客さんも多いらしくカン付チヌ針がよく売れるんだそうだ。お店には金龍鉤の中国語のポップがあった。……中国人もマッサージいかがですかぁ~ゾーンを通るんだろうか? 同朋だととらえればあまりいい気分はしないと思うのだが……。
新橋駅前店のサイトにマッサージいかがですかぁ~ゾーンを通らずにお店にたどり着ける「来店アクセス動画ご案内(JR新橋駅より)」というページが用意されていた。もう一度、行くことがあってもSL広場寄りのエスカレーターは絶対に使わないと思う。
著者: へた釣り