釣況がよくないカワハギを回避し、前回ボウズを食らったアマダイのリベンジに行く。アマダイとよりを戻すつもりだったのだが……また拗ねられた。2釣行連続の本命ボウズ。原因はカイワリを釣って「アマダイよりうれしい」なんて言っちゃったから? アマダイのツンデレ化が止まらない。
一度、ストックしてあるハギポンアサリを冷凍庫から出して解凍の準備をし、羽田・かみやのサイトで予約を入れようとすると、なぜかカワハギではなくLTアマダイを予約していた。野生の勘なんて格好いいものではない。なんとなくである。釣れる気がしない竹岡沖のカワハギに行くのやだな~っと思ってたんだと思う。アサリを冷凍庫にしまってアマダイの用意をする。沖は少し風が強そうだが釣りにならないってことはないはず。アマダイからの愛を取り戻すために富浦沖へと出撃。席は左舷の胴。後ろから2番目。
アマダイに関してはしゃちょう船長とは相性がよく何度もいい思いをさせてもらっているので、今日も釣れないかもなんて悪い予感は欠片もなかった。いつものようにオモリが着底したら底を7、8回小突いて餌をアピールし、50センチから70センチほど持ち上げて魚信を待つという釣り方でスタート。タナは釣れるゲストによって上下に調整していくつもりだが…な~んも魚信らない。艫で30センチくらいのアマダイが上がる。舳でもドン・サイ~キが小ぶりではあるが本命ゲット。おかしいな~とタナを少しずつずらしてみたが、ムシガレイが1匹釣れただけ。それでも、今日もアマダイに相手にされないとはこの時点では思ってない。
アマダイはツボにハマれば船中上位になれることもある釣り物なので慌てずにやるべきことをやっていれば……ほらっ!! きた! 竿先を大きく引きこむ魚信があり、竿を持ち上げるとなかなかの重量感。巻きあげ始めるとときどき大きく竿を引きこんで暴れる。手応え的には40センチ以下ってことはなさそうだ。ドン・サイ~キから「デカいんじゃないですか~」と声をかけていただく。でも、巻き上げ中になんだか違和感。引きの強さは間違いなく40センチ超級なのに、暴れてないときの重量感が足りない。海面に姿を現したのは…デッカいキダイ? 取りこんでみると34センチのマダイだった。アマダイ釣りでマダイを釣ったのは初めてかも。
その後も沈黙。釣れるゲストによってタナを調整したいのだが、ゲストからの魚信がほとんどなく、時間だけが過ぎて行く。お昼少し前に少し南下し水深80メートルくらいのポイントへ。この時点でキープできているのはマダイが1匹だけ。さすがにちょっと嫌な予感を覚え始めるが、小突いてフワリと竿を持ち上げた瞬間に竿先をグンッと持って行かれる。今度こそアマダイ!! 重量感はないが引きが強く、ときどき竿を送っていなさないとダメな感じだった。これまた、なんだか違和感。違和感というよりこの引きには覚えがある。海面に現れたのはひし形に輝く銀色のシルエット。カイワリだ!! 無事取り込みにも成功し、このとき思わず出た一言が「アマダイよりうれしい」。負け惜しみではない。本気でそう思っている。
マダイ、カイワリとくればあとは30センチ級1匹でいいから本命のアマダイが釣れてくれれば、大満足の釣行になる。カワハギじゃなくてアマダイにしといてよかったぁ~となるはずだった。もう一度、穂先を大きく引きこむいい魚信が訪れる。「さすがに今度はアマダイでしょ!!」と、嬉々として巻き上げ始めたのだが……重量感が足りないのに引きこみはシャープで力強い。本日2匹目のカイワリ。アマダイはへた釣りのことを避けているとしか思えない。
28センチ、26センチとお刺身サイズのカイワリが2匹、食べ頃サイズで少し前に調べて食べてみたかった紅葉鯛(マダイ)が1匹。ほかはリリースしても死んじゃうのでキダイ、ソコイトヨリ、カナドを1匹ずつキープした。アマダイ釣りで一番大事なのはタナでも誘いでもなく、ツンデレ化が止まらないアマダイに一途アピールし、デレモードになってもらうことではないかとwww 次回からはカイワリが釣れても感情を押し殺して「外道かよ!!」と言うことにする。
著者: へた釣り