アミ五目は本日の刺し盛りを妄想しながら釣るのが楽しい。マダイにイシダイ、クロダイ、マハタ、ヒラメ、イナダ、アジ、サバなどなど五目というからには豪華5点盛りを狙うわけだ。1人前2980円くらいの刺し盛りができることもあれば……本日のへた釣り亭は300円均一安居酒屋で営業。
午前中の風を嫌って午後からの出撃。毎年何戦かする金沢八景・一之瀬丸のアミ五目船に今季初挑戦。今年はワラサの寄りが遅れているらしく、いまだイナダの釣果は聞こえてこないが、マダイやクロダイ、そしてヒラメがアジに混ざって釣れている。刺し盛りのイメージは奥にマダイがど~んと尾頭付きで鎮座し手前にヒラメやアジ、〆サバあたりが盛られているって感じかな? 実際にはそう上手く盛り付けできないが、妄想上の刺し盛りは高級料亭風に豪華絢爛なのである。そんな妄想を楽しみながら一之瀬丸に到着すると、席札が左舳に2枚残っているのみ。指定席とも言える一番前の札を取る。釣り客25人だったが2隻出しになったので横との距離はゆったり。
船長はイサキの釣り方を教えて下さったウィリーシャクリの先生だった。船は13時に桟橋を離れてポイントへと向かう。風はほぼ収まっているが少しまだ海面がウネウネとしている感じ。釣りにくいというほどには海は悪くないように見える。船は北寄りのポイントへと向かう。船長からの指示は「底からハリス分切って」だった。付け餌のオキアミが溶けていなかったので、アジ用の2メートルの仕掛けにイカ短を付けて釣り開始。アミコマセを底1メートルからフワフワと撒いて2メートルのタナで待つが…魚信なし。オキアミで釣ってる人にはポツポツアジが釣れたので出遅れる。
あまり活性はよくないようでアジが釣れるといっても間が空く。仕掛け回収の合図がありポイント移動のタイミングで仕掛けをオキアミ3本針のアミ五目用の物に変える。オキアミはまだ溶けきっていないが何回か釣る分くらいならある。さらに北寄りの水深20メートル以浅のポイントで釣り再開。底から1.5メートルで一振り、50センチ巻いてもう1振り、さらに50センチ巻いてもう1振り、あと50センチ巻いて待つ。魚信はすぐにあった。フルルと穂先を震わせてからキュンと持って行くアジの魚信。オキアミが溶けたらカワハギ用のバクバクソルトで少し絞める。25センチ~30センチくらいの良型アジがタナを合わせばすぐに飛びついてくる。小型は混じらず8匹くらいここで釣る。
食べて美味しいA5サイズのアジなのでエラを切って血抜きをしたらクーラーへ。サイズがいいのでアジのお刺身はこれで十分。なにか別の魚がほしい。すぐ近くに瀧本船長のマダイ船がいたので、マダイが釣れる可能性は十分にあるはず。先の方法で一度タナに合わせて20秒ほど待ったらマダイを意識してゆっくりと1メートルくらい誘い下げてみるという釣り方を試してみる。アジが何匹か追加できたが……これは!!という魚信は訪れない。モゾモゾと変な手応えがあるとクサフグがオキアミを齧っている。ほかに釣れたのは底を切ろうとしていると掛かってきたカサゴのみ。豪華刺し盛りが遠ざかっていく。
魚信がなくなったので、金沢八景寄りのポイントに移動する。ビシを落とすと少しめり込むような感触があるので底は砂泥地。ここでは15センチくらいの小アジが釣れてくる。南蛮漬け用に何匹か確保したら……一発逆転、豪華刺し盛りチャレンジ。小アジが付いても巻き上げずに1メートルくらいタナを下げて、マゴチかヒラメが食いついてこないものかと狙ってみる。ハリスは2.5号。慎重にやり取りすれば獲れるはず。終了間際にもしかしてな魚信。間欠的に穂先を持って行くのでこれは間違いなしとアワセる。魚が付いた。そこそこ引く。ヒラメの重量感はない。ソゲかな?……海面に姿を現したのはサバ。〆サバ用にキープして本日これにて終了。お刺身用アジが12匹、南蛮漬け用小アジが8匹、サバが1匹で合計21匹。高級魚は仕入れられない安居酒屋風刺し盛りでこれから晩酌。
著者: へた釣り